当サイトにおける全てのコンテンツの無断複写・転載等を禁じます。

ビジネス香川 -「いま」を伝え、「未来」を育てる-

文字サイズ
標準
拡大

ビジネス香川 ここにもあります 高松空港ANA・JAL便搭乗口、ことでん瓦町駅、高松市民病院、高松市図書館、香川県立ミュージアム・東山魁夷せとうち美術館、栗林庵、瓦町FLAG、高松市内のセブン-イレブン・ファミリーマート、JR四国バス ほか

  • プライムパーソン
  • Next開拓魂
  • It's me!それは私です
  • BK NEWS
  • さぬき美探訪
  • さぬき味探訪
  • 動向リサーチ
  • 瀬戸標(せとしるべ)
  • かがわのエンジン
  • とれぷれ
  • 特・選・本
  • 特・選・話
  • 本日、旅日和

プライムパーソン

VOL.249 2018年09月20日

消費者の心に響く
商品ストーリーを発信

東洋オリーブ 社長 南 安子さん

消費者の心に響く商品ストーリーを発信 東洋オリーブ 社長 南 安子さん
今秋導入した採油機と、リニューアルした化粧品とともに(小豆島町池田の工場)

お客さんとの距離を
近づけたい

地域に根ざしたものづくりを続けたいと思います
地域に根ざした
ものづくりを続けたいと思います

会社の中の“当たり前”に慣れてしまうと、価値あるものに気づかないことがある。3年前、社長に就任した南安子さん(53)は、スタッフたちが一つひとつオリーブの実を手摘みし、手作業で選別した上で新鮮なうちに採油するなど、いい商品を作るためにとことん手間をかけていることに驚いた。「でも、みんなそれがすごいことだと思ってなくて・・・。だったら、商品やものづくりの姿勢について伝えることが、私の役目だと思ったんです」

東洋オリーブは、大阪造船所(現・ダイゾー)を設立した実業家・南俊二氏が、グループ会社の一つとして1955年豊島に創設。いち早く食用オリーブオイルに注目し、たとえ赤字になっても地域のものづくりの灯を消さないよう「ひ孫が継いでいける事業に育てたい」という言葉を残した。小さな農園から始まり、一時安価な外国産のオリーブオイルに押されてオリーブ栽培が衰退した時も事業を続けた。現在は、国内最大級の自社農園を持ち、オリーブ栽培や、オリーブオイル、化粧品の製造・販売を行っている。

南さんは、創業者のひ孫にあたる。曾祖父の言葉通り社長に就任したが、それまで4人の子育て中心の生活をしていた本人に気負いはなかった。しかし、扱う商品のターゲット層が自分自身に近く、消費者目線で商品や販売方法を見ているうち、もっとこうしたいという思いが湧いてきたという。

まず、今までいなかった広報担当者を決め、SNSなどで情報発信を始めた。発信するのはただの商品情報ではない。作り手の思いや製造の苦労といった“ストーリー”だ。また、試食してもらうことができないネット購入者においしさを伝えるため、国内外の品評会に積極的に出品。毎年のように賞を獲得している。さらに品質を追求するため、今年9月に最新式の採油機をイタリアから導入した。

「うちは本当にいいものを作ってきたから、それは変わらず受け継いでいきたい。ただ、いいものを作れば売れる時代は終わったと思います。積極的に情報発信してお客様との距離をもっと近づけたいですね」

いつも いつまでも

パッケージにあしらわれているのが「トレアちゃん」
パッケージにあしらわれているのが「トレアちゃん」

今年、化粧品の「トレアシリーズ」をリニューアルした。「昔、肌荒れに悩んでいた時使っていた自然派の化粧品はどれも、肌にやさしい=成分を抑えた薄いものというイメージがあって。だから、効果が実感できて肌にやさしい化粧品を目指しました」。3年間試行錯誤し、オリーブ果実エキスの配合比率を変えるなど中身を一新した。

商品パッケージにも思い入れがある。「ナチュラル系の化粧品は生成りをベースにしたシンプルなものが多いでしょう?でも、肌が弱い人だってかわいくておしゃれなパッケージで気分を上げたいと思うんです」。そこで、昔からお客さんに親しまれている女の子のモチーフ「トレアちゃん」を生かしながら、赤い実をつけたオリーブの木をあしらうなどデザインを変えた。それに合わせてオイルを始め、ほかの商品パッケージや紙袋もリニューアルし、イメージを統一した。「お客様がSNS用に撮影する時、わざわざ写真に入れたくなるパッケージになればいいなと」

会社のブランドスローガンも「いつも いつまでも オリーブを」に変えた。栽培から加工まで自分たちで手掛けている商品を、食卓でも美容タイムでも、年齢を重ねてもずっと使ってほしい―という思いが込められている。

オリーブの将来を見すえて

スタッフのみなさん
スタッフのみなさん

2010年、オレイン酸をたっぷり含んだオリーブの搾りかすを飼料にした肉質のいい「オリーブ牛」が小豆島で誕生した。その時に飼料として採用されたのが、東洋オリーブのものだ。搾りかすの有効利用は、環境に負荷をかけない取り組みの一つ。ほかに、搾りかすと剪定したオリーブの枝を粉砕したものをそれぞれ発酵させて堆肥化し、有機肥料として農園の一部で使っている。肥料は「TOYO-オリーブの恵」という名前で商品化する予定だ。

「これからは環境への配慮とともに、厳しくなる気象条件や産地間の競争に備えた取り組みも大切だと思います」。今年4月に、特産品としてのオリーブの品質と技術向上を目指す「小豆島オリーブ協会」の会長に就任。9月には、県内のオリーブ事業者が参加して発足したばかりの「県オリーブ生産者ネットワーク」の会長にも就任した。ネットワークでは、オリジナル品種の普及などを進めていく。

「創業から60年あまり、苦しい時もオリーブの事業を続けてこられたのは、地域の人達の支えがあったからだと思っています。地域に根ざしてものづくりを続けるダイゾーグループの一員として、曾祖父の思いを継いで矜持をもってやっていきたいと思います」

石川 恭子

南 安子 | みなみ やすこ

1965年 大阪府生まれ
1984年 同志社女子高等学校 卒業
1988年 慶應義塾大学文学部 卒業
2009年 株式会社ダイゾー常勤監査役
2015年 東洋オリーブ株式会社社長 就任

東洋オリーブ株式会社

住所小豆郡小豆島町池田984-5
TEL:0879-75-0260
設立1955年6月24日
資本金3000万円
従業員数35人
事業内容オリーブの栽培育成、果実の加工および採油、オリーブオイルの精製、化粧品の製造販売など
地図
URLhttp://www.toyo-olive.com/

プライムパーソンとは

海外進出、ニッチトップ、地域に根ざす100年企業・・・
香川には数多くの魅力的な企業があり、その舵を取るリーダーたちもまた、たくさんの魅力にあふれています。
企業、団体、伝統文化など様々な分野の最前線で活躍する人たちの本音に迫ります。

讃岐を歩く

ちょうさじゃ

吹き渡る涼風とともに祭りの季節がやってきた。豪華絢爛という言葉がぴったりな観音寺市豊浜町の「ちょうさ」。「ちょうさじゃ」の掛け声とともに練り歩いたり、かきくらべをしたり。まち全体が担ぎ手と見物客の熱気に包まれる。

Photo:T.Nakamura

讃岐を歩くの一覧はこちら

ページの先頭へ移動